機甲戦記ドラグナーはアニメ新時代を開拓した名作
(画像引用:happycomic.jp)
ストーリーとキャラクター紹介
時に西暦2087年。
月に樹立された統一帝国「ギガノス」の軍事政権が地球諸国に対し宣戦を布告、
その抜きん出た科学力と組織力を用いて地球諸国の7割を支配下に置く。
地球連合軍の敗色が濃い中、
中立国のスペースコロニー「アルカード」に難民と共に軍事機密物資を運搬中の
宇宙輸送艦「アイダホ」が逃げ込んできます。
アルカードのアストロノーツ・アカデミー生「ケーン・ワカバ」と
旧友の「ライト」「タップ」は、秘密兵器のデータが入ったディスクを持った男が
何者かに撃たれて死ぬのを目撃し、そのディスクを手にしたまま、
ギガノス部隊とアイダホとの交戦に巻き込まれてしまいます。
そこで、3人は偶然秘密兵器メタル・アーマー「ドラグナー」のコックピットに入り込み、
パイロット登録を行ってしまいます。
なりゆきで、戦火に身を投じる3人。
舞台は地球に移り、グンジェム隊などの強敵とのたたかい。
ライバルである「蒼き鷹」との死闘。
青春群像劇が得意な神田監督ならではの物語が繰り広げられていきます。
人気と評価
機甲戦記ドラグナー”(Metal Armor Dragonar)は、
1987年にサンライズが制作したリアル系ロボットアニメ。
視聴者の評価はまちまちで、
総合得点は63.4点、物語は3.3、作画は3.4、声優は3.5、音楽は3.6、キャラは3.5となっています。
一部の視聴者は、この作品を「平凡なリアルロボット作品」と評しており、
ガンダムシリーズを模倣しようとしたが、特に新しい印象を与えることができなかったと指摘しています。
ただし、主題歌は評価されています。
他の視聴者は、作品の絵が良くなったものの、
物語やキャラクターが中途半端で共感を得にくかったと述べています。
また、メカのデザインや音楽については肯定的な評価をしているものの、
全体的な物語の展開や後半の方向性には疑問を呈しています。
一方で、このアニメを高く評価する声もあります。
特に、個性豊かなキャラクターとその掛け合い、
および興味深いメカデザインについて好意的な意見が見られます。
総じて、「機甲戦記ドラグナー」は、その時代のリアルロボットアニメの一例として、
一部のアニメファンには評価されているものの、
物語やキャラクターの深さにおいては賛否両論があるようです。
機甲戦記ドラグナーのメカニックデザインと作品の世界観
(画像引用:douga.flat-flat.jp)
『機甲戦記ドラグナー』のメカニックデザインは、
1980年代のリアルロボットアニメの特徴を色濃く反映しています。
このアニメのメカデザインは、特に詳細で洗練されていると評価されており、
異なるタイプのロボットがそれぞれ独特の特性とデザインを持っています。
メインのロボット、ドラグナーは、その時代のリアルロボットのデザインと機能性のバランスを象徴しています。
作品の世界観については、地球に住む人類が月に軍事独立政権を樹立し、
地球に対して一方的に独立を宣言するという背景があります。
この政治的緊張が物語の中心であり、
地球統合軍とギガノス帝国軍との間で繰り広げられる戦争がメインの舞台です。
この作品は、当時の政治的・社会的な状況を反映しており、
リアルロボットジャンルのアニメとしては典型的な設定となっています。
世界観と設定、製作スタッフなど
『機甲戦記ドラグナー』の舞台は西暦2087年で、
月に誕生した軍事政権「ギガノス帝国」と地球の統一連合「地球連合」が対立しています。
ギガノス帝国が地球に独立宣言と宣戦布告を行い、戦火はスペースコロニーや地球本土へと拡大します。
この中で、スペースコロニー「アルカード」の住人である主人公・ケーン・ワカバ、
タップ・オセアノ、ライト・ニューマンは、新開発のメタルアーマー
「D兵器」(ドラグナー)に偶然乗り込んでしまい、連合軍のパイロットとして徴用されます。
彼らはギガノス帝国軍と戦いながら地球上の連合軍本部を目指すことになります。
製作スタッフについては、原案は矢立肇、監督は神田武幸、
キャラクターデザインは大貫健一と芦田豊雄、メカニックデザインは大河原邦男が担当しました。
音楽は渡辺俊幸と羽田健太郎が担当し、製作は名古屋テレビ、創通エージェンシー、
日本サンライズ(現サンライズ)によって行われました。
往年のロボットアニメファンなら、この布陣をみて。
「銀河漂流バイファム」を思い出すひともいるはず。
物語は、かなり違いますが。
若者の群像劇、大人への挑戦など。
根柢のテーマは、共通するものがあります。
なお、神田監督の遺作となってしまった「機動戦士ガンダム08MS小隊」の記事も書いています。
よかったらぜひ。
機甲戦記ドラグナーとガンダムの比較
メカのデザイン
ガンダムはその象徴的なメカデザインで有名です。
一方で『ドラグナー』もユニークなメカデザインを持っていますが、ガンダムほど世界的に有名ではありません。
どちらのシリーズも、その時代のメカデザインのスタイルを反映しています。
当時、洋画のトップガンが流行っていたこともあり。戦闘機を思わせるデザインとストーリー。
そして、OPの夢色チェイサーも戦闘機の発進を思わせるシーンでかっこいい演出になっています。
↑←↑ これがわかる人は、ぜったいドラグナー好きです!(笑)
テーマと物語:
ガンダムは戦争、政治、人間心理を複雑に扱い、しばしば道徳的に曖昧な状況やキャラクターを描いています。
『ドラグナー』も戦争の背景がある未来を舞台にしていますが、
物語の進め方やキャラクターの発展は異なるかもしれません。
シリアスでありながら、どことなくおちゃめなキャラクター。
前作ガンダムZZ(ダブルゼータ)の影響もあるのかもしれませんね。
ストーリーの根底には、「家族」もあるのでは?
と筆者は思っています。
母を探しながらドラグナーでたたかう主人公ケーンと。
ドラグナー開発者の息子であり、ライバルの「マイヨ・プラート」
のたたかいが、アムロとシャアを思わせる構造になっているのも本作の魅力。
人気と影響力:
ガンダムは日本の文化アイコンであり、世界的にも大きな影響を与えています。
一方で『ドラグナー』は独自のファンベースを持っていますが、
ガンダムほどの国際的な認知度や文化的影響はありません。
また、現在でも熱狂的なファンもいます。
プラモデルなどいまでも売れているので。
昔のアニメがすきなひとは、一度は目にしたことがあるはず。
世界観:
ガンダムの宇宙は広大で、多くの時間軸、キャラクター、政治勢力が存在します。
『ドラグナー』も独自の世界観を持っていますが、ガンダムほど複雑ではないかもしれません。
ギガノス帝国は、ジオン公国よりはむずかしくはないですね。
単純に敵対勢力としてみていいと思います。
ですが、ギガノスの蒼き鷹「マイヨ・プラート」は名前をみればわかる通り。
ドラグナー開発をした博士と同じプラート家。
そして、ヒロインの1人の「リンダ・プラート」も。
これが物語の重要なファクターともなっていきます。
機甲戦記ドラグナーが与えた後世のロボットアニメへの影響
(画像引用:mantan-web.jp)
機動戦士ガンダムが大ヒットしたロボットアニメ界は。
あらたなヒット作品を創造しようとしました。
ですが、富野由悠季監督の「機動戦士ガンダム」は伝説的なアニメ。
しかも、ヒットを狙ってつくられたものではなく。
放送中には視聴率もわるく、打ち切り。
ガンプラブームが到来し、劇場版がヒット。
あとからついてきたヒットだったのです。
この作品「機甲戦記ドラグナー」はベースとなるものは似ていても。
軽いテイストの物語に、少しガンダムとはちがうと思い。
離脱するファンもいたのでは。
そして、その後も。
数々のロボットアニメがつくられて。
勇者シリーズへと受け継がれるていくのです。
ドラグナーが後世に与える影響というよりは。
機動戦士ガンダムが、機甲戦記ドラグナーを創り。
そして、それに続くものができたというのがしっくりきますね。
視聴できるサブスクリプションサービスを紹介
『機甲戦記ドラグナー』の動画は、複数のサブスクリプションサービスで視聴可能です。
Amazon プライム・ビデオ
– Amazon プライム・ビデオで『機甲戦記ドラグナー』が配信されています。
トライアル期間を利用すれば、こちらでも無料で視聴可能です。
コレクターには、ブルーレイがおすすめ。
まとめ
最後に、機甲戦記ドラグナーの紹介記事のまとめをしておきましょう。
- ドラグナーの人気と評判:
- 総合得点は63.4点で、物語、作画、声優、音楽、キャラクターの各評価は平均的。
- 視聴者の感想は賛否両論で、一部はガンダムシリーズの模倣と見なし、他はメカデザインや音楽を高く評価。
- メカニックデザインと世界観:
- 1987年にサンライズ製作。リアル系ロボットアニメとしての特徴を持ち、メカデザインは詳細かつ洗練されている。
- 舞台は西暦2087年。地球と月の軍事政権「ギガノス帝国」の戦争を描く。
- 製作スタッフ:
- 原案は矢立肇、監督は神田武幸。キャラクターデザインは大貫健一と芦田豊雄、メカニックデザインは大河原邦男。
- 音楽は渡辺俊幸と羽田健太郎、製作は名古屋テレビ、創通エージェンシー、サンライズ。
- ガンダムとの比較:
- ガンダムシリーズとはスタジオやメカデザインのスタイルが共通。
- テーマや物語は異なる可能性があり、ガンダムほどの国際的な認知度や文化的影響はない。
- 影響と継承:
- メカアニメジャンルに一定の影響を与えた可能性があるが、後継作品や具体的な影響は明確ではない。
作品の根底には、「家族への思い」があり。
ロボットアニメというジャンルのあたらしい挑戦もみることができる。
機甲戦記ドラグナーは、まさに新時代をつくった作品であり。
悪く言うと、機動戦士ガンダムを超えることができなかった作品です。
ロボットアニメが成熟している現代の時代をつくった1作品として。
この作品に目をとおしてみるのではいかがでしょう?
きっと新しい発見が見つかる事はまちがいありませんよ!
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